勝手にシンドバッドジョヴァペット飼育日記 2003年12月7日〜13日

●ゼブラレースエンゼル 12月13日(土)

生き残ったゼブラレースエンゼルはとてもカッコよかった

エンゼルは黒っぽい種類は弱い

ブラックエンゼルは繁殖が難しくあまり出回っていない

またノーマルエンゼルより縦縞の多いゼブラレースエンゼルもめったに入荷しないし

いつもエラ病で全滅する

昔仙台でどっさりゼブラを買いこんで大きく育てた

そしてベールテールエンゼルとゼブラのペアから稚魚をとったことがあったが

残念ながら大きくなる前に全て落ちてしまった

その美しさに惚れてまた繁殖にチャレンジしたいといつも思っている

最近はアルビノ、ダイヤモンド、プラチナ、クリスタル等様々な改良品種が出ている

残念ながらヒレ長の優雅なベールテールエンゼルも姿をほぼ消している

ディスカスのように気合いを入れてエンゼルの改良に日本人も努めてほしいものだ

ワイルドのアルタムエンゼルも日本で繁殖に成功している

ヒレの長い、模様が美しい丈夫な国産エンゼルがどんどん出回るのを願う


●水草水槽にカラシン 12月12日(金)

カラシンの仲間もなかなかの豪華キャストだ

私の好きなカラシンは安くてあまり小さくなくて美しいもの

最近ネオンテトラよりもはるかに高かったカージナルテトラが安くなった

彼らの群泳は素晴らしい

まさに青と赤の動く宝石だ

小さな水槽ではつまらない

90センチ水草水槽で泳がすとスイミーの世界のごとく壮大な美しい世界となる

青みの強いグリーンネオンも好きなんだけどあまり大きくならないのが不満

ダイヤモンドテトラは小さいときは地味で貧弱だけど

飼いこんで大きくすると立派なダイヤモンドに変身する

体高も出てきてギラギラうろこが光りとてもとても美しい

本物のダイヤモンドよりこっちの動くダイヤモンドの方がいいと

実際見てみれば世の女性も思うに違いない

かれらを百匹単位で大水槽で泳がせてみたいものだ

今彼らを飼っているが彼らは数少ない青森の残党組だ

数度の引越しと寒さと水の汚れと酸欠にも耐えて

よくぞここまで立派に成長したと敬服している

エンゼルたちと仲良く混泳している

そして大好きなのが昔も今も変わらず大人気のピラニア

唯一大群で飼える安くてブリードもののピラニアナッテリーだ

他のピラニアは数万円もするし単独飼いなのでつまらない

ナッテリーベビーを大事に育てればお腹がオレンジに光り

迫力のある立派なギラギラピラニアになる

エサをやらないとすぐ共食いするから気をつけたい

これも大水槽で大群で飼ってみたい

さぞ素晴らしい迫力ある光景だろう

他にもたくさん獰猛でカッコいいカラシンがいるけど

最近ブラントノーズガーを初めて飼っている

なかなか人工飼料食べてくれず餓死してしまったものもいる

アカヒレをバンバン即効で食べる

古代魚ガーに分類されそうだが立派なカラシンである

今日やっと人口肉食用飼料カーニバルをバクッと食べてくれて感動したわ

2〜30センチまで大きくなり、その勇姿は見応え十分だ

古代魚人気のスポッテッドガーより面白いんじゃないかな

次回は腹でかオモシロ魚ハチェットの長期飼育にも挑戦したい

年に1回ぐらいしか日本に入ってこない南米のナノストムスエスペイ

もうちょっと安くなってほしいな

さてディスカス生活また始めるかどうか悩んでいる

今大ブレークのレッドスポット系のリクエストもあるのだが

今一つ入荷する勇気がない

問屋仕入れは通販同様個体を見れない選べない

問屋との信頼関係のみなのだが

当たり外れが激しく、飼育も金と手間が他魚よりかかる

ディスカスもまたグッピー族、古代魚族、アロワナ族と同じく

コリ固まったマニアの世界だ

好きな人はそれだけに専念し繁殖を楽しんでいる

来年まで我慢するか年内に飼うか?

毎日迷っている

価値がよくわかり、ほしいお客が近くにたくさんいるなら仕入れるけどね

必ず1割は黒くなって死んじゃうからなあ

1匹数千数万のまとめ買いは痛いからなあ…


●ヤコブ稚魚生まれる 12月11日(木)

10匹のアウロノカラ・ヤコブフレイベルギがすくすくと成長し

1匹の美しいイエローボディのボスが輝きを増しメスが卵を口にくわえた

10日ぐらいたったろうか、もういいかな

よくぞここまで命をかけて断食して稚魚を育ててくれた

お口モグモグ立派なメス2匹の口から孵化した稚魚を取り出した

2匹メスから60匹ぐらいのかわいい稚魚が取れ別水槽に移した

アフリカンシクリッドはたくましい

優秀なメスならこれから毎月のように卵をくわえるだろう

この小さな世界は弱肉強食で

オスはとにかく食べて食べて大きくなったもん勝ち

他のオスを追っ払いテリトリーを主張してメスたちを呼ぶ

オスとメスはくるくる回りながら受精させた卵をメスが口にくわえる

メスは1ヶ月近く口の中で稚魚を育て大きくなったら吐き出す

この水槽内で自然繁殖させたら小さな稚魚はすぐ他の魚に食べられるので

1週間から10日ぐらいに人工的に卵を吐き出させるのがコツだ

孵化してない卵や孵化したての稚魚は育てるのが大変だから

ある程度育ってから吐き出させた方がよい

アメリカンシクリッドのエンゼルやディスカスはすべて親任せだから

ブリーディング成功率は低い(良きペア良き親はめったにいない)

その点、アフリカンシクリッドのマウスブルーディングは楽ちんだ

ちょっとしたコツをつかめば毎月簡単に稚魚を量産できる

半年もすれば稚魚は大きく成長してオスは美しく色づく

高品質のドイツやオランダ、安い東南アジアのアフリカンが日本に入ってくるが

日本産もぼちぼち出回ってきて価格も安くなってきた

アフリカのマラウイ湖ワイルドものは美しいがケタが違う高級魚だ

ディズニーアニメ映画でクマノミのニモが日本でも大ヒットしそうで

熱帯魚大手業者も大々的に海水魚キャンペーンをやっているけど

まだまだ難しい海水魚・サンゴ類は無駄な消費ペット飼育にすぎない

いったいあんな小さな水槽で何日命が持つというのだろう?

海水魚やるなら数十万の設備が必要だ

原色の美しい海水魚に近い、いやそれ以上に美しくメタリックに輝く

アフリカンシクリッドこそ、ビジュアルペットフィッシュクイーンだと思う

素人時代から様々なアフリカンを50種ぐらいブリードしてきたが

これからもどんどん挑戦してゆきたい

そのためにこの仕事を選んだのだから


●グッピー 12月10日(水)

私が熱帯魚飼育に憧れたのは

子どもの頃、友だちの家で見たグッピーの大群水槽だった

そして念願の熱帯魚飼育が始まって18年になる(ペットショップは4年目)

グッピーは寿命が短い一期一会の芸術魚だ

あるお客さんが安いグッピーをたった1ペアずつ2種注文した

残念ながら個人的にあまり好きではない種類のグッピーだった

問屋から仕入れれば一箱2千円ぐらい送料PC代手数料取られるから

きつい注文だったが、お客様は神さんだからしばらくして仕入れた

で、お知らせ電話したがいつもいない

そのうちたった1ペアのドイツイエロータキシードグッピーが

早くも稚魚をたくさん産んでいた

エンドリケリー安いの無いんですか?とわざわざ来店すれば

苦労して見つけてやっと仕入れる…が、もう来ない

素人時代が長く、わざわざ東京、いわきまで足を運んで魚を探していたから

こんな店があったらいいなと思って努力している

しかし限界も多い

すんまへん、そこまで安くはできまへんって…


●ペットショップから見た熱帯魚雑誌 12月9日(火)

以前、月刊3誌を仕入れて売っていた

「アクアライフ」、「フィッシュマガジン」、「楽しい熱帯魚」

書店は売れなければ返品できるが

ペットショップは直で仕入れて買い取りだ

5冊以上で送料無料となる

出版社直送だから書店より早く入荷する

人気NO.1の「アクアライフ」は巻末に全国の店一覧を無料で掲載していたが最近止めてしまった

だから私も仕入れるのを止めた

「楽しい熱帯魚」は他の2誌のようにマニアックではなく初心者や子どもや女性層をもターゲットにしている

そして唯一無料でペットショップ一覧やサービス券掲載をやっている

雑誌は完売するわけないから最初から広告パンダのつもりで

赤字当たり前の投資として仕入れている

テレビ・新聞・雑誌出版社は広告CM料で成り立っているのは分かるが

あまりにも高いと思う

広告料の分、いったい儲けあるんだろうかと思うくらい

大企業も小さな小売店も広告やチラシを出している

かつて私も騙されて50万以上かけてチラシを出したことがあった

無理がある…

今度こそ自分流で店を細々とやりたかったから店を再開した

写真が美しい「アクアウエーブ」やマニアック爬虫類「ビバリウムガイド」も大好きだけど

やっぱり「楽熱」に私は素人時代からお世話になったし感謝したいし応援してゆきたい


●病気と闘う 12月8日(月)定休日 雪 入院父見舞う

グッピーにはグッピー病があり

エンゼルにはエンゼル病がある

その魚特有の病気がある

アフリカンシクリッドはめったに病気にならないが

白点病になったらもうおしまい

あっさり全滅してしまう

とにかく魚たちは長旅でストレス溜めて人から人へと渡り歩く

だから病気も多発してしまう

私はグッピー、エンゼルが好きだ

しかし毎回その病気に苦労する

全国の問屋からたくさんの魚や爬虫類が入ってくるが

その何割かは死着、瀕死の状態、次の日全滅…

だからペットショップはあまり儲からない 

自分の腕を磨くのが死活問題だ

熱帯魚、爬虫類、多くの種類があり

1種ずつ飼い方が違う

いつもネット検索して飼い方や画像を探している

でもまだまだ、ペットのサイトは発展途上というか

こだわりすぎサイトか内容のないサイトばかりが目立つ

あまりにもこだわりすぎると私は嫌気がさしてしまう

そこがAB型のクールさなのかもしれないけど

合唱部だった頃も合唱は好きだけど合唱のいやらしさも知った

変にこだわりすぎる世界なのだ

プライドの高い指揮者はいやらしくてついていけない

結局自分自身楽しくなければいけない

こだわれば専門家になる

でもこだわりすぎると他が見えなくなる

狭い世界は腐る

中庸、バランスが一番大切

で、とにかく人間にエイズがあると同じく

ペットにも特有の不治の病があるのだ

なぜ人には4つの血液型があるのか

それはたとえばB型人間が全滅しても

他の血液の人が生き残るための知恵、自然界の英知なのだ

血液によってその病気、ウイルスには弱い強いがあるらしいのだ

遺伝子は経験・環境から多くを学び、電化製品のごとく常に新しくならなければならない

そうしないと人類はウイルス等の敵にやられて死滅してしまう

ペットの世界もそうだろう

環境に順応したものだけが生き残る

犬は人間のペットになることによって大いに世界で繁栄できた

逆に狼はほぼ死滅してしまった

地球を支配している人間は高ぶらず謙虚に常に研究、研修、勉強しなければならない

つらいのではなく楽しんで勉強しよう

それが人生

病気にならないグッピー、病気にならないエンゼル

そんな強い魚になるよう人は手助けしていかねばならない

愛するペットのために…

ああ、アルタムエンゼル君、エラ病、皮膚病でボロボロ、また全滅しないでくれ〜

なんとか復活してほしい

グッピー稚魚のヤリ病はグッピーエイズの証拠か?

一つの水槽は一つの世界〜大いなる繁栄を夢見て研修だ

失敗の繰り返しから一つでも学び取っていきたい

肺炎で入院中の父を見舞った

すっかり年老いた父を見て悲しくなった

そして自分もボロボロの身体に現在進行形

もっと本気で病魔と闘わねばならない

健康第一だものね


●いとしのピラルク  12月7日(日)

初雪が降る寒い日だった

店を再オープンさせてから2ヶ月近くになる

あまり魚は置くまいと思っていたが、どんどん水槽は増えていった

ほしくてほしくてたまらなかったピラルクがやっと入荷した

待てども待てども問屋に入らず、同業者の小売店通販から買おうかと思っていたほどだった

18センチのピラルクベビー3匹は仲良く泳いでいる

1匹飼いでは分からなかった和やかな光景が見られた

私は生餌をやるのは好きではないが

とにかくピラルクベビーは弱いので体力をつけるべくエサ金をどんどん食べさせている

ある程度大きくなってから無理をせず人工飼料に餌付けさせたいと思う

水槽に大きめの水草ポット(Gサジタリア、ナナ)を植えた

なかなかいい雰囲気の水槽になった

昔から相互リンクしていたピラルクサイトを改めて訪問した

ピラルクほど誤解された良魚はないという

個人的にアジアアロワナは虚勢的で嫌いだ 

目ダレ、エラめくればかりして、ただ高い 

あれは元々東南アジアで成功した華僑の金持ちシンボルペットだった

バブル時代100万という値でもアロワナは日本でどんどん売れた

赤くなるはず、背中まで金色に光るはず…多くの人が高値を出して騙された

熱帯魚ファンとアロワナマニアは完全に人種が違うと、ある昔かたぎの同業者が語っていた

アロワナは車でいえばベンツ等の高級車だろう

確かにいいアロワナは惚れ惚れするほどに美しい まさに高嶺の花だ

ピラルクもアロワナと同じ古代魚、同じマウスブルーダーでよく似ている

ピラルクは水族館レベルでしか飼えない世界最大の淡水魚と言われてきた

しかしピラルクは水槽のサイズに合わせてさほど大きくならないことが分かった

そのメタリックグリーンのウロコはとても美しい

大きくなるとオスはさらに真っ赤に染まってくる

ピラルクは車で言えば人情味ある大衆トラック野郎だと私は思う

野性味溢れるアマゾンの龍魚、愛情深きピラルク、私は彼らとともに永く生きたい


★はじめに〜

数年前、八戸市の小さな熱帯魚専門ショップのおっちゃんが病気で亡くなった

彼が残した店のHPには毎日魚のこと、店のこと、楽しかったこと、

リクガメが万引きされてつらかったこと等詳しく綴られていた

まだ私が公務員をやっていて素人だった頃、何度か遠い八戸まで魚ショッピングに行った

そこできれいな緑のコリの仲間ブロキスを初めて知り、彼に勧められて買ったのを覚えている

同業者になってからも彼のHP日記を青森市の店から密かに見るのが楽しみだった

彼は病気持ちで仕事が大変そうだった 

そして彼が亡くなられたことがHPに掲載され その後HPは幕を閉じた

その小さなHPの隠れ日記ファンはたくさんいたと思う

その日記からはおっちゃんの人のよさ、純真さがにじみ出ていた

私も彼に見習って死ぬ直前まで出来る限り日記を書こうと思う

好きな魚、爬虫類、小鳥に囲まれた地上の楽園

イーハトーヴ美術水族館日誌を書こうと思う

                     〜店主 ジョヴァンニ安東秀衡


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