安東文学館 秀衡日記 ジョヴァンニ安東秀衡ココロノ本音日記

2010年3月
 40日が過ぎた 2010.3.30
キリストの荒野の断食のような40日が過ぎた
憂鬱な3月だった
えらく寒い日が多かった
気を紛らわすものを探している
音楽、サイト更新、テレビ番組、
早く大リーグ始まってほしい
スポーツの勝敗は嫌な人生において最高の気晴らしだ
負けるとストレス溜まるけどね


 夜間子ども店長はギブアップはしない 2010.3.1
いらっしゃいませ
一日に何百回しゃべるのだろう?
私は歓迎するその挨拶が一番大切な仕事だと思う
レジ以外の従業員はそんな挨拶もできないスーパーが多い
レジ(チェッカー)の仕事は多々やってきた
そして今は夜間店長をやって5ヶ月目に入った

1年半、仕事を探し続け何度も落とされてきた
自分には自信があった
面接では誰にも負けないと自負していたし
今まで不採用はなかった
真面目、ヤル気、気合い、忠誠、正直…は私の勲賞だった

しかし歳月が過ぎ私も歳をとった
見た目で若者には勝てない
連戦連敗の屈辱を味わう

そして今の夜間店長職の面接を去年10月に受け
即日採用された
浪人侍の私はやっと自分を認めてくれる会社・店長・主君に出逢った
今まで私を見捨ててきたライバル会社には絶対負けまいと思った
この恩義に報いたいと思った

どんな仕事だとしても
人や社会のためになる仕事なら誇りに思ってやるべきだ
互いに助け合って生きるのが人間だから

日本人は商売を卑下している人が多いと思う
私が金を払うんだからと傲慢な態度の客が多い
挨拶してもにらんでくる

それでも数十人に一人は同じ人間として接してくれるありがたいお客様もいる
挨拶すればこんばんわと返してくれる
ありがとうと言ってくれる
気軽に話しかけてくれる
そんな人間としての交流が楽しい

体力が衰え
気力も失せているが
それでも67歳のじーちゃんだって交代で頑張っている
あと何日、何年生きられるかわからないが
死ぬまでこの仕事を続ける覚悟だ
夢を追い自由を謳歌する私には最低限の社会的義務だと思う

今の私には夢も自由もないが
それでも今まで生きてこれた
感謝の気持ちを忘れなければ幸せは手にできる
職もなく金もなく帰る家もない絶望人に比べれば
しばらく流浪の民だった私には今、帰る家はあるのだから…

大好きな宮沢賢治と太宰治の本をまた読んで独り涙にくれる
そして生きる力を得る
誰も私の孤独の苦しみを理解することはできないが
私は賢治や太宰を理解したいと思う
共に人生を戦ってきた同志なのだから…
私は死ぬまで自分の負けを認めはしない
ギブアップはしない


2010年2月
 嘘で嘘で嘘で… 2010.2.28
薬でぜんそくは抑えられているが
動悸や人生の閉そく感、恐怖は続く

人は何かを信じて生きている
信じているから独りではない
信じているから暗闇にいても平気だ
信じているからつらい仕事でも頑張れる
信じているから希望がある
信じているから前進できる
信じているから虚しい刹那人生を生きられる

信じるものがなくなったら
全てが崩壊した世界へと変わってしまう
何でもないことが苦痛と恐怖になる
助けてくれ!
しかし誰も助けることはできない

苦しくて苦しくて
僕はS&Gの「THE BOXER」を聴いて彼らと共に歌う
ライラライ ライララ ライラライ…
嘘で嘘で嘘で…

人生は嘘だらけさ
それでも僕は生きている
そして生きていかねばならない
明日は晴れるさ
いいことがあるさ
そう信じて
信じられる人間となって…



 穏やかな西日 2010.2.27
胸は息苦しくつらいが
静かで穏やかな日を迎えた
厳しい冬の寒さは過去となり
やさしい春の日差し

夜勤は休みなので
買い物&ドライブに出かける
最近撮影した写真をプリントし喘息の薬を買う
帰りの西日、夕暮れ風景は美しかった



 絶望するな、太宰がいる…発病、再発との戦い 2010.2.26
最近、閉所恐怖症になってしまった
家の中にずっといると独房にいるみたいで苦しい
車の中にいても同じ
そしてついにはこの地上、地球、宇宙に存在すること自体がつらい
全てが閉ざされた空間になってしまった
なぜか?その原因は分かっている
信じていたつながりが途絶えたからだ
深い深い孤独の恐怖…

そしてぜんそくも久しぶりに再発した
咳が出て胸がいつも痛くて苦しい
こちらは薬で少しは楽になれる

今夜の夜勤も普段以上につらかった
最後はヘトヘトだった
夕食が夜勤明けというのもしんどい
もう少し食べて出勤しないと途中で馬力もガス欠状態だ

また精神的肉体的苦痛との戦いが始まった
あきらめなければ
絶望しなければ
いつだってそれに耐えることができた
誰も救うことはできない
ボクサーは自分で起き上がるしかないのだ
死ぬ直前まで頑張るしかない

見捨られても
裏切られても
嫌われても
いつだって自分は自分の味方だ
世界中が敵であったとしても
私はおまえを愛してる
誰が何と言おうとも私はお前を愛してる
信じてる
そう言い聞かせて今はただ耐えるのみ
いつかまた心底幸せな気持ちになれる日を信じて…

太平洋戦争中、ふるさと津軽を旅した太宰治
育ての親たけとの感動の再会
小説「津軽」の最後の名台詞がまた私によみがえる

さらば読者よ、
命あらばまた他日。
元気で行こう。
絶望するな。
では失敬。 太宰治「津軽」より


◆安東文学館◆秀衡日記◆2011年◆2010年◆2008年

 BY JOVANNI ANDO   サイトマップ













































































































































































































inserted by FC2 system