影絵劇団かかし座旅ガラス館

    かかし座うさぎ班、北海道一周巡回公演での後藤圭座長(2代目)

 とう たいりうの芸術論

 本名:後藤泰隆=有限会社 劇団かかし座 創立者(代表取締役)
 1926年(大正15年)生〜1979年(昭和54年)没
 昭和28年かかし座創立。NHK専属劇団としてテレビ影絵劇を上演。
 昭和48年「竹取物語」製作、フランスのモンテカルロ国際コンクールに英訳で出品、第2位となる。
 *代表作〜「くもの糸」「アラジンと不思議なランプ」「走れメロス」「アリババと40人の盗賊」、
 「野ばら」、「耳なし芳一」、「きかん車やえもん」、「マッチ売りの少女」、
 「ちよ太郎こども劇場」(TBS放映「イソップ物語全71話」他)、他多数の影絵劇をテレビや舞台で上演。


 「日本に影絵の伝統を築き上げることが目標
       童心は世界を浄化し、調和を保つ」


 *私の作品は祈りです。私は神の祭壇係で、祭壇の儀式なら私がやりますよという気持ちでいるんですよ。

 *イエスキリストの言葉に「幼な子のごとくあれ」というのがあります。
 子どもというのは実に不思議な存在で、統計によると、犯罪者は子どものいない人に多いのだそうです。
 子どもがいればブレーキがかかりますからね。子どもに肩身の狭い思いはさせてはならないというように。
 私は子どもを通して神を見ることができると思ってますし、また子どもがいないと社会は調和が保てないと思うんですよ。
 文学者によっては意見が異なりますが、私は子どもによって世の中は清められ、
 悪い方向にいかないようにブレーキがかけられているのだと考えています。

 *人間は誰もが童心をもっている。いくら年をとっても童心はノスタルジアとして私たちの心に生きています。
 それを的確にとらえて大成功したのがディズニーランドです。
 いってみればディズニーランドは全世界の夢を集約しているのではないでしょうか。
 しかし、日本ではジャリ文化として片づけられてしまい、価値を認めてくれません。
 最近は少しずつよくなってきてはいますけれども。もっともっと童心を人間の宝物として大切にすべきでしょう。
 私が影絵に打ち込むのは、一つは童心を追求していきたいと考えるからです。

 *芸術といわれる多くのものがそうであるように、影絵をやっていても神の存在を無視すると人を感動させるいい仕事はできません。
 ですから私は特定の宗教には入っておりませんが、個人として神をもっています。
 伝統を大事にする立場でもありますし、根源的な神の存在を感じてきたわけですよ。

 *私は弥次郎兵衛を自分の芸術論としているんですが、この弥次郎兵衛の一方の重しを現実とすれば、もう一方の重しは虚構となる。
 現実と虚構のバランスがとれていれば、弥次郎兵衛が倒れないように、人生もバランスのとれたものとなります。
 虚構は神のつかさどる世界、現実は辛く、恐ろしく、思い通りにならない世界です。
 そんな現実にいるからこそ人間は一輪の花の美しさに涙することもあるんです。

 *日本には水墨画や版画というすばらしい芸術があります。影絵はこれらとあい通ずるものがると思うんですよ。
 ですから水墨画や版画を基本とした影絵をつくって、日本に影絵の伝統を築いていきたいですね。

   以上雑誌「エコノミックジャーナル」1978年11月15日号より抜粋


 *私は藤城清治氏の影絵塾に通い、彼の影絵を研究し、そして後藤圭氏のかかし座の劇団に入り多くを学んだ。
 特にとうたいりう氏の芸術論(詳しくは名著「影絵劇への招待」)には深く共鳴した。
 私にとって影絵はライフワーク。これからも影絵芸術を探究していきたい。      ジョヴァンニ安東


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